住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社

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PROJECT STORY

新しく企業が設立される場合、事業計画や規程づくりはもちろん、準備しなければならないことは数多くあります。会計・税務の領域でも、会計業務のフロー確立や業務規程の策定、細かな業務スキームの設定、ERP(基幹業務システム)の準備など、用意すべきことは山積みです。
2019年10月1日に業務を開始した住商コスメティクス株式会社(住商コスメ)設立に際して、住友商事フィナンシャルマネジメント株式会社(SFM)がどのような役割を果たしたのか。当時、メインの担当者を務めた池野裕美子の話を中心に、新会社設立プロジェクトを振り返ってみました。

CHAPTER01 Story

将来を見据えた設立支援

住商コスメの設立準備に際し、プロジェクトのメイン担当者の池野はどのようなことを思い、そしてSFMはどのような役割を果たしていたのでしょうか。具体的な業務内容や当時大切にしていた想いなどを聞きました。

新会社設立に向けて

「会計の仕事は数字をミスなく正しく処理することが第一。けれど、会社の発展に貢献するには、それだけでは不十分なんです」
そう話す池野が、新会社、住商コスメの設立プロジェクトに参画したのは設立予定日まで半年を切った頃。新会社は、それまで池野が会計業務を担当していた住商ファーマインターナショナル株式会社(住商ファーマ)の化粧品事業部が独立して設立されるものだった。
「それまで会社の設立に関与することはなかったので、『どういう準備が必要なんだろう』『時間がなさそうだな』というのが最初の印象でした」(池野)
新会社設立後の業務規程の策定や会計業務フローの確立など、時間がない中でさまざまな相談や業務が池野のもとへやってくる。慣れないプロジェクトをスムーズに進めるため、池野は時に住商コスメだけではなく、親会社である住友商事とも言葉を交わしながら、一つひとつ丁寧に業務を進めていく。

将来の発展まで見据えた
サポート

住商コスメは一つの事業本部が母体であり、スタート時点での企業規模が小さい。そのため、分割元である住商ファーマの規程をそのままでは使うことができない。規模に合わせた規程づくりやシステムに合わせた業務フローなどを考える必要があり、想定以上の困難が池野たちの頭を悩ませた。
「規程づくりは住商ファーマや住友商事のものを参考にしながらゼロから手がけました。また、会計システムもユーザとして使うだけでは知り得ないような機能やシステム体系まで学び、正確なアドバイスを心がけました」(池野)
業務効率だけではなく、事業内容や将来の成長まで見据えて会社の骨格を固めていった池野。その仕事には、正確な会計処理で会社の発展に貢献するという会計のプロとしての誇りがあふれている。
「新しい会社が今後どのように成長していくのか、住友商事グループにどのような貢献が果たせるのかを意識して取り組みました。大事にしたのは、単に会計の仕組みをつくるだけではなく、なぜそうするのか、会計基準や税法といったバックグラウンドと事業計画を照らし合わせながらアドバイスすることです。大変なこともありましたが、また同じようなケースがあればチャレンジしてみたいですね」(池野)

CHAPTER02 Comment

チームメンバー間の意思疎通を大切に

プロジェクト当時、SFMのチームメンバーはどんなことを思い、どんなことを心がけて業務に臨んでいたのでしょうか。池野、そしてともにプロジェクトに従事した加田の二人に当時の仕事を振り返ってもらいました。

スムーズな船出のために

マネジャー 
池野 裕美子

住商コスメ設立の際には、何よりいろいろな人が右往左往して忙しそうにしていたので、会計面に関しては私たちSFMでしっかりサポートしたいと考えていました。当社の担当チームではチームリーダー、私、さらにスタッフ1名が主に新会社設立に関する業務を受け持っていました。それぞれが通常業務も行いながら初めて経験するプロジェクトに向き合っていたので、情報共有がおろそかにならないように気を配りました。
会計業務はミスなく行うことが第一ですので、全員がしっかりと落ち着いて業務にあたれること。そして、新会社の設立以後に住商コスメの方々がスムーズに業務に従事できるようにという点を大切に、チーム全員で細かな点まで情報を共有しあって、業務を進めていきました。新会社のスムーズな船出を支えられるように、単なる書類上の処理だけではなく、チーム全員が会計のプロとしての仕事を心がけていたと思います。

意思疎通で問題の芽を早期解決

スタッフ 
加田 曜子

プロジェクト当時は、住商コスメの管理部門が本当に必要なことを取捨選択できるように支えようと考えて、実務面のアドバイスを行っていました。長く運営されてきた企業であれば言葉にしなくてもお互いが理解しあうこともあるかもしれません。しかし、新しく設立される会社のことなので、気になることがあればどんな小さなことでも住商コスメの方々やメンバー全員で共有して、早い段階から問題の芽を摘んでおく必要がありました。
また、池野さんを中心に、毎週1〜2回、自分が抱えている業務や進捗、疑問点などを伝え、業務分担や問題解決のアドバイスをもらうキャッチアップミーティングを行っていました。本プロジェクト以外の通常業務にも目を配って、全体の業務量を調整してもらえたことも、スピード感を維持したままプロジェクトを完遂できた要因かと思います。

CHAPTER03 Talk

SFMの皆さんは、
数字の裏側を説明してくれるので
助かります

新会社のスムーズなスタートに懸命だった住商コスメの皆さん、そしてそれを会計業務からサポートしたSFM。住商コスメはSFMにどのようなことを期待し、実際にどのようなコミュニケーションが重ねられていたのでしょうか。

住商コスメの取締役執行役員、髙田管理業務部長と池野に、当時のことを振り返ってもらいました。

  • 住友商事ファイナンシャルマネジメント株式会社

    池野 裕美子

    事業会社経理部
    マネジャー

  • 住商コスメティクス株式会社 住商コスメティクス株式会社

    髙田 信行

    取締役執行役員
    管理業務部長

SFMに期待していたことは何ですか?

髙田:分社化の話が本格的になり、最初に池野さんにサポートをお願いしたのは2019年の5月頃でしたね。
池野:そうです。新会社の設立ということでびっくりして、その後、10月1日にスタートという話を聞いて二度びっくりしました(笑)。
髙田:SFMの皆さんに一番期待していたのは、新しいERP(基幹業務システム)導入に関するアドバイスです。ERPは会計処理にも深く関わるので、どのシステムにするのが良いのか? あとは会計業務フローの確立や経理規程の策定、さらにネットバンキングでの入出金業務に関すること、等々。会計や税務、財務に関することは何でもですね。
池野:当然、新会社を設立するためには会計関係以外にもさまざまな手続きや準備が必要ですし、髙田さんはすごく忙しそうにされていたのが印象に残っています。
髙田:ゼロから会社をつくるわけではなく、分社化なので多少楽かなと勝手に思っていましたが、いざフタを開けたら暗中模索の連続でした。
池野:皆さん、初めて経験することが多くて……。私たちも大変でしたが、住商コスメの皆さんはもっと大変だったと思います。

大変だったことは何ですか?

髙田:ERPについては、住友商事グループ各社が使用しているのと同じものを導入するのが一番なのでしょうが、それは非常にスケールが大きくて。導入にあたって会社の規模に見合わないコストがかかってしまうのが課題でした。ということで違うシステムも検討したのですが……。
池野:その際、会計業務を正しくスムーズに行っていくにはどのシステムが良いのかアドバイスさせていただいたのですが、やはりグループ共通のシステムが入っていないと、内部統制のレベルを維持する意味でも難しいですよというお話はさせていただきました。
髙田:それで、困ったな、どうしようかと。もっと安価なシステムもあったのですが、その場合他に経理業務を受託してくれるところを探さないといけないし、単体決算と連結決算とで別々のシステムを使うことで二重の手間がかかってしまう。悩んだ末に、総合的観点より共通システムを導入しSFMさんからサポートを受けるのがいいとなったわけです。
池野:ただ、結局設立時にはシステムが間に合いませんでしたね。
髙田:そう。それで最初の1年近くはEXCELを使って手作業で経理業務をしたのですが……。これが、もう大変で(笑)。
池野:仕訳の一つひとつを、領収書や請求書などの確証と照らし合わせて確認するのが大変でしたね。
髙田:池野さんに伝票を確認してもらうと、水色の色鉛筆でたくさんチェックが入って戻ってきて(笑)。
池野:私もアナログでの業務経験はありましたが、あらためてシステムのありがたさを実感しました(笑)。

これから期待することは何ですか?

髙田:すべての経理業務に通じますが、池野さんはじめSFMの皆さんは、会計基準、税法、業務フロー、数字の根拠や裏側を都度しっかり説明してくれるので助かっています。これを引き続き期待したいと思います。
池野:それがSFMの本来の業務だと思っています。我々は、バックグラウンドとなる会計基準などを知っている前提で業務にあたりますが、事業会社の皆さんはそこまで通じているわけではありませんから。経営に活かしていただけるよう、相手の立場に立った説明を心がけています。
髙田:今も毎月の定例会や予算策定の際に税金計算の仕組みなどいろいろな情報やご意見をいただいています。
池野:きちんと根拠のあるアドバイスができるように、日々、学んでいかないといけないなと感じています。私の場合だと、住友商事グループ内の事業会社をいくつか担当していますが、他社で培ったノウハウも共有できれば、住友商事グループとしての相乗効果も生まれてくるので。
髙田:グループ各社のノウハウを共有してもらえることは、SFMさんに委託するメリットの一つと感じています。我々にとって初めてでも、グループで初めて経験する事象というのはそんなにないでしょうから。そのようなノウハウの引き出しを増やしてもらえると頼もしいですね。あとは、財務・経理関連の新しいITやクラウドサービス等の情報に関しても後学のために適宜共有してもらえればと思います。
池野:SFMでもさまざまな勉強の機会を用意してくれるので、皆さんのお役に立てるように頑張って勉強しています(笑)。
髙田:ありがとうございます(笑)。SFMの皆さんはチャキチャキと働いて、適切なコメントをしてくれるなっていう印象ですね。
池野:うるさくないですか?
髙田:そんなことないですよ、こちらも静かじゃないですし(笑)。
池野:やはり、右から左へ数字を処理するだけの記録係ではないので、対等にお話しできるだけの専門性を蓄えなきゃいけないというのは、皆でよく話しています。
髙田:こちらから尋ねたことに対し、専門的な回答がもらえるのは心強いですよ。これからも会計のスペシャリストとしての視点、そして住友商事グループの仲間・一員としての視点を活かしながら、ご協力をお願いします。
池野:こちらこそ、期待に応えられるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。

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